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たそかれ
桜の色も 林檎の味も
忘れた今でも鮮やか
あなたの微笑み
物語を 前書きからもう一度
両手に抱えて 読み返したいの
閉じ込めた 砂時計
照らされて 黄金色
その手が触れたら なにもかも歌い
その手に抱かれて 溶けてくよ
たそかれに
深い深い 思い出の海に沈めた
全てを引き上げ 抱きしめていくの
あけぼのの 甘い露
白昼の 夏の庭
想起の限りを 尽くしても まだ
余りに足りない 残された
たそかれは
歌うだろうか
泣いて悔やむだろうか
延ばした時間は
もうすぐおしまい
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